Power Platformにかけてみた
ノーコードで広がる業務改善の可能性
下に英語版があります / English version is below
1. はじめに:Power Platformとの出会いがすべての始まり
「これ、なんとかならないのかな?」
会社で日々発生する手作業の多さに、ふとそんなことを思ったのが始まりでした。
私は、もともと基幹システム導入の準備として、Power QueryとPower BIの学習を始めたに過ぎません。特に強い意志があったわけではなく、「仕事だから仕方ない」と、どこか受け身の姿勢でした。
ところが、学びを進める中で偶然出会ったのが、Power Platformという存在。
この出会いが、私の中で「働き方」を見つめ直すきっかけとなり、気づけば「どうすれば会社の業務をもっと楽にできるか?」を真剣に考えるようになっていました。
正直、私はエンジニアでもなければ、特別ITに詳しいわけでもありません。
そんな私でも、「ノーコード・ローコード」で業務改善ができる――。
そう気づいた瞬間、目の前に広がる世界がガラリと変わったのです。
このブログ記事は、Power Platformに“可能性”を感じ、実際に動き出した記録です。
まだまだ勉強中の身ですが、「完璧じゃなくても、とにかく試してみる」ことで見えてきたことがたくさんあります。
同じように、業務のムダや手作業にモヤモヤしている方に、少しでもヒントになれば嬉しいです。
2. 「システム導入=効率化じゃない?」現場の声と違和感
会社では現在、大規模なシステム導入プロジェクトが進行中です。
多くの社員が「これで業務が楽になる」と期待している一方で、私は少し違った視点を持っていました。
実際に耳にしたのは、
「システムを入れても、思ったほど効率化しないらしい」
「むしろ作業が増えることもあるみたい」
といった不安や不満の声。
私は、こうした声を聞くたびに「もっと根本的に業務を見直せないのか?」と感じていました。
どんなに立派なシステムを導入しても、現場の手作業が残ったままでは意味がない。
むしろ、システムに合わせて余計な作業が増えるケースすらあります。
そんな中、私が担当することになったのが、得意先からのCSVデータの整形や、システム連携用のデータ準備。そこで必要になったのが、Power QueryとPower BIでした。
3. Udemyで学んだPower BI・Power Queryの可能性
「Power Query?Power BI?それって何?」
これが、学習を始めた当初の正直な感想でした。
会社から「これを使ってデータを整形してほしい」「レポートはBIで出すことになる」と言われたものの、名前すら聞いたことがないツール。とにかく概要を掴むために、私はUdemyで関連動画を片っ端から視聴することにしました。
気がつけば、短期間で6本もの講座を受講。
今思えば少し詰め込みすぎたかもしれませんが、当時は「何もわからない状態」が怖くて、ひたすらインプットを続けていました。
動画を通して感じたのは、Power Queryはデータ整形の強力なツールであり、Power BIはそれを可視化するためのダッシュボードツールだということ。Excelに慣れている人なら親しみやすい操作感で、複雑な作業も自動化できる可能性があると分かってきました。
しかし、あくまで動画で学んだのは“サンプルデータ”での操作。
実際の業務データを扱うとなると、話はまったく別だったのです。
4. 実践の壁:会社のレポート再現でフリーズ
学習後、私はさっそく会社で運用されているPDFレポートを再現しようと試みました。
「Udemyで学んだから大丈夫だろう」――そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれます。
実際の業務データを前にして、
「え、まず何から始めればいいの?」
「これ、どうやってあのPDFの形にするの?」
と、完全にフリーズしてしまいました。
頭の中には講座で見た手順がなんとなく残っているものの、現実のデータは想像以上に複雑。
形式もバラバラで、動画で見たようなスムーズな流れには到底なりません。
ここで私は「このままだと、確実に挫折する」と感じました。
5. ChatGPTと進めた試行錯誤の日々
そこで頼ったのが、普段から活用しているChatGPTでした。
ダメ元で「このPDFみたいなレポートを作りたい」と相談し、画面キャプチャやデータを見せながら、**「次は何をすればいい?」**と一つひとつ質問を重ねていきました。
このプロセスを繰り返すこと約4日間。
少しずつ「自分が今、何をしようとしているのか」「Udemyで学んだ知識がどこで役立つのか」が見えてきたのです。
特に助かったのは、ChatGPTが迷ったときの道しるべになってくれたこと。
「これで合ってるのかな?」と不安になるたびに、すぐに確認できる環境があったからこそ、挫折せずに進むことができました。
気づけば、Power Queryでデータをクレンジングし、Power BIでレポートを出力するという一連の流れが、少しずつ形になってきたのです。
6. 気づけば業務改善が始まっていた:秘書業務の自動化への挑戦
Power BIで会社のレポートを再現できるようになってくると、
私はふと「これ、練習だけで終わらせるのはもったいない」と感じるようになりました。
ちょうどその頃、社内の秘書的な業務を担当している方が、毎月手作業でPDFレポートを作成していることを知りました。
膨大なデータをExcelでまとめ、手動で加工し、PDF化して提出する――。
その作業は、まさに時間と労力のかかるルーティンワークでした。
「この作業、Power QueryとPower BIを使えば自動化できるんじゃないか?」
そう思った私は、すぐにその方に声をかけ、
「あなたの作業を自動化してみたいので、元データを提供してほしい」とお願いしました。
快く協力していただけることになり、私は実際の業務データを使って業務改善プロジェクトをスタートさせました。
この時点で、私の頭の中にはもう「基礎練習」という意識はありませんでした。
「現場の手作業を減らす」ことが目的になっていたのです。
7. Power Platformとの出会い:「フルスクラッチじゃなくてもできる!」という発見
さらに学習を進める中で、私はPower Platformという存在を知ります。
それは、単なるデータ整形や可視化にとどまらず、業務全体をノーコードで自動化できるツール群でした。
これまで私は、業務を効率化するには「開発会社に依頼してシステムを作ってもらうしかない」と思い込んでいました。フルスクラッチの開発は時間もコストもかかるため、現実的には難しいケースが多いと感じていたのです。
しかし、Power Platformなら、自分で業務フローを組み立て、簡単な操作で自動化が実現できる。
この事実を知ったとき、「これは、会社の働き方を変えられるかもしれない」と本気で思いました。
もちろん、まだ私はPower Platformについて深く理解しているわけではありません。
むしろ、「どこまでできるのか、まったく分からない」状態です。
それでも私は、このツールの可能性にかけてみたいと強く感じました。
学習を進めながら、少しずつ社内に提供できる仕組みを作り、**“待つDX”ではなく“動くDX”**を実現したいと考えるようになったのです。
8. これからの1年、どこまで手作業をなくせるか
私の目標はシンプルです。
「基幹システム導入を待たずに、今すぐできる業務改善を進めること」
どうせ最終的なアウトプットはPower BIのダッシュボードになるのだから、
その前段階の手作業をどれだけ削減できるかに挑戦しよう、と決めました。
この1年で、どこまで社内のムダな作業を減らせるか。
そして、Power Platformを使って、どれだけの人の仕事を楽にできるか。
まだ答えは見えていませんが、私は**「可能性にかけてみる価値は十分にある」**と確信しています。
完璧なスキルがなくても、まずは動いてみること。
それが、私がPower Platformと出会って得た一番の学びでした。
9. まとめ:ノーコード時代のDXは「気づいた人」から動き出せ
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は、よく耳にします。
でも、実際に「何から始めればいいのか分からない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
しかし、Power Platformとの出会いが、そんな迷いを吹き飛ばしてくれました。
大切なのは、完璧に理解してから動くことではなく、
「これ、もしかしたらできるかも?」と思った瞬間に、一歩踏み出すこと。
ノーコード・ローコードの時代だからこそ、専門家じゃなくてもDXは始められる。
気づいた人から動き出し、少しずつ社内に変化を起こしていくことが、
これからの時代に求められる姿勢だと感じています。
このブログが、誰かの「最初の一歩」を後押しできたら嬉しいです。
## English Version
I Took a Chance on Power Platform
The Potential of No-Code for Business Process Improvement
1. Introduction: How I Discovered Power Platform
“Isn’t there a better way to do this?”
That simple thought crossed my mind as I watched countless manual tasks pile up at work.
Originally, I started learning Power Query and Power BI just to prepare for upcoming system changes in my company. It wasn’t driven by passion — it was just part of my job.
But everything changed when I stumbled upon Power Platform.
That encounter made me rethink how I work. Before I knew it, I was seriously considering how I could make daily tasks easier for everyone around me.
I’m not an engineer or an IT specialist.
But realizing that I could improve workflows with no-code tools opened up a whole new world.
This is the story of how I put my faith in Power Platform’s potential and took action — even without mastering it first.
If you’re feeling stuck with repetitive tasks or wondering how to start with DX (Digital Transformation), I hope my experience gives you a little push forward.
2. When “System Implementation = Efficiency” Didn’t Add Up
In my company, a major system implementation project was underway.
Many expected it to make work easier, but I kept hearing concerns like:
- “I heard it won’t actually reduce our workload.”
- “It might even create more tasks.”
These voices made me realize that just installing a system isn’t enough.
If manual tasks remain, true efficiency can’t be achieved.
That’s when I was assigned to handle data processing using Power Query and create reports with Power BI.
It sounded simple in theory — but I was about to learn otherwise.
3. Learning the Basics Through Udemy
I had no idea what Power Query or Power BI were.
So, I dove into six Udemy courses to grasp the basics.
I learned that Power Query is great for cleaning data, and Power BI helps visualize it.
But working with real company data turned out to be far more complicated than any tutorial.
4. Frozen by Real-World Challenges
When I tried to recreate a company report in Power BI, I completely froze.
Nothing from the tutorials seemed to apply to messy, real-life data.
I realized I needed help — fast.
5. Trial and Error with ChatGPT
That’s when I turned to ChatGPT.
By sharing screenshots and asking, “What should I do next?”, I managed to navigate through four days of trial and error.
Gradually, I understood how to apply what I had learned.
Eventually, I succeeded in cleaning data with Power Query and generating reports with Power BI.
6. Turning Practice into Real Business Improvement
Once I got the hang of it, I thought:
“Why not use this to improve actual workflows?”
I approached a colleague handling manual report creation and offered to automate her tasks.
She agreed, and I started working with real data to reduce repetitive work.
7. Discovering Power Platform’s True Potential
While learning, I discovered Power Platform — a toolkit for automating processes without coding.
Until then, I believed that custom software development was the only way to improve operations.
But Power Platform showed me that no-code solutions could make a difference — and I could be the one to implement them.
I didn’t fully understand its limits yet, but I knew it was worth exploring.
8. How Much Manual Work Can I Eliminate in a Year?
My goal became clear:
“Don’t wait for big systems — start improving workflows now.”
Over the next year, I aim to reduce as much manual work as possible using Power Platform and Power BI.
9. Conclusion: DX Starts with Those Who Take Action
Digital Transformation doesn’t require perfection or expertise.
It starts when someone notices a problem and decides to act.
With tools like Power Platform, anyone can lead change — even without a technical background.
I hope my story inspires you to take that first step.